研究実績一覧

大麦若葉エキスに関する過去の研究実績の一覧です。

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大麦若葉 自律神経作用

Effects of the odor of green young barley grass extract on central and autonomic nervous system function(大麦若葉エキスの緑の香りが中枢及び自律神経系機能に及ぼす影響)

「第29回 国際臨床神経生理学会(ICCN2010)」

ヒトに大麦若葉の緑の香りを暴露した際、自律神経系及び中枢神経系において副交感神経系活性と脳波α波β波比の増大が見られ、抗ストレスへの関連性が示唆された。
○青塚康幸(1)、沖田善光(2)、筌口桃江(1)、中村晴信(3)、甲田勝康(4)、木村元彦(5)、杉浦敏文(6)
(1:日本薬品開発株式会社・研究開発部、2:静岡大学・創造科学技術大学院、3:神戸大学大学院・人間発達環境学研究科、4:近畿大学・医学部、5:静岡大学・工学部、6:静岡大学・電子工学研究所)

【目的】
最近の研究で緑色植物や野菜の香りが動物やヒトにおいて抗ストレスや抗疲労効果を有することが示されている。しかし、これらの効果の神経学的なメカニズムについてはよくわかっていない。加えて、香りを嗅いだときの自律神経系(ANS)と中枢神経系(CNS)の関連性の研究は少ない。そこで本研究では、ヒトに大麦若葉の緑の香りを吸入した際のANS及びCNS機能に及ぼす影響について調べた。

【方法】
大麦若葉を搾汁し調整した新鮮なエキスの香りを8人の成人被験者に嗅がせ、香り吸入前後及び吸入中の心電図並びに脳波図を記録した。心拍数のR-R間隔及び脳波のパワースペクトル密度解析からANS及びCNS機能を分析した。なお本試験は静岡大学の倫理委員会の承認を得て行った。

【結果】
大麦若葉エキスの香りを吸入した多くの被験者で、副交感神経活性及び脳波アルファ波ベータ波比の増大が見られた。

【結論】
大麦若葉エキスの香りはヒトにおいて、変化の程度は個人差はあるものの、ANS及びCNS活性を刺激する傾向があった。このことはANSとCNS活性の作用が香りにより誘導される抗ストレス効果に関連していることを示唆している。今後、緑色植物の神経系に及ぼす影響についてさらなる研究が必要である。