研究実績一覧

大麦若葉エキスに関する過去の研究実績の一覧です。

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大麦若葉 自律神経作用

Individual Response of the Autonomic Nervous System to the Green Odor of Young Barley Grass Extract(大麦若葉エキスの緑の香りに対する自律神経系の個人応答)

「第12回アジア栄養学会議(ACN2015)」

大麦若葉エキスの香りに暴露された被験者は交感神経系機能の抑制が確認されていたが、今回被験者毎の反応強度等の違いについて解析を行った。その結果、自律神経反応は被験者間で3タイプが確認。被験者の記憶や経験が匂い知覚に影響し反応を調節している可能性が考えられる。

〇青塚 康幸(1),沖田 善光(2),筌口 桃江(1),高橋 勲(2),木村 元彦(2),杉浦 敏文(2),中村 晴信(3)
(1)日本薬品開発株式会社、(2)静岡大学、 (3)神戸大学

【目的】
最近の研究で、植物の緑の香りは抗ストレス及び抗不安作用を引き起こすことが動物やヒトで示唆されてきた。我々の予備研究において、大麦若葉エキス(YBGE)の香りに暴露された被験者では、副交感神経が亢進し、交感神経系機能が抑制されていた。しかし、反応の強度や時間的パターンには個人ごとに違いがみられたことから、本研究では、緑の香りに対する個人応答の解析を行った。

【方法】
健康な成人7名の被験者に対し、香り(1%YBGE、100%YBGE、水)を30分間の休憩を挟み、それぞれ10分間ずつ3回連続して暴露した。全てのセッションの間、心電図を記録し、R-R間隔のパワースペクトル密度解析の自己回帰モデルから自律神経活動を評価した。体動成分及びアーチファクトの除去はデータごとに目視検査によって行い、また解析の精度を高めるため時間ウィンドウは30秒と狭くした。副交感神経と交感神経活動の指標としてHFとLF/HFをそれぞれ用いた。

【結果】
緑の香りの刺激に対する被験者の反応は、明確に異なる以下の3つのグループに分けることができた。(1)HFが増加しLF/HFが減少するグループ(HF反応群) (2)暴露の前半にLF/HFが増加しHFが減少し、後半にHFが増加しLF/HFが減少するグループ(LF/HF-HF) (3)HFとLF/HFのいずれも不変なグループ(無反応)。

【考察】
反応のタイプと被験者のプロフィールとの間にどのような因子が関連するか不明であるが、被験者の記憶や経験が匂い知覚に影響し反応を調節している可能性が考えられる。